明けまして、おめでとうございます。
今年は2007年、この「Outdoor Basic Technique」を開設したのは1997年ですから、ちょうど、 今年で10周年ということになります。
10年といっても、あまりにも物事の推移がめまぐるしすぎて、そんなに時間が経ったとは俄には信じられない気持ちです。一方、 インターネットがリードしてきた激しい変化の中に足を突っ込んできた者としては、いささか疲れも感じています。
当初のサロン的な雰囲気のネットでは、情報の量も少なく、またその流れも緩やかで、そこに漂っていることが一種の安らぎであり、 また、ネットの発展の可能性を実感できたものでした。
ネットが社会の傍流にあった頃は、ちょうどそれが漕ぎ進むのに心地良いスピードだったのですが、ひとたび主流になると、 まるで堰を切ったように流れは速さと幅を増して、漕ぐどころではなく、 その流れに飲み込まれないようになんとか体勢を持ちこたえるのが精一杯といったことになってしまいました。
ネットのインフラがどこにいても仕事のできる環境を提供することで、自由な時間が増えると期待していたはずが、 いつでもどこでも常に仕事を意識することになり、またコミュニケーションの容易さが、 逆にコミュニケーションが途切れることを脅迫的に恐れるといったような状況を生み出しています。
人が人らしく生きるために活用されるはずのネットインフラが、逆に自らのシステムに合うように人間を改変し始めているといっても、 大げさではないような現実。そんな現実を前にして、今、ぼくは、原点に立ち返って、この「Outdoor Basic Technique」 を再稼働していこうと思っています。
システムが要求するスピードやレスポンスといったものに脅迫されることなく、「自然と心地よく共生する」 というコンセプトを落ち着いて、実践していくこと。それを10年目の課題にしたいと思っています。
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