珍しく早起きして、午前中は切迫した用事もなかったので、故郷の海へ。
16歳でバイクの免許を取って、18歳で上京するまでの2年間は、自宅から7kmあまりのこの海岸へよく通った。
別に悩み事があるわけでも、気持ちが沈んでいるわけでもなく、時々、ただなんとなく、 繰り返し打ち寄せる波を眺めながら海風に吹かれたくなる。
片道150kmの道のりをバイクを飛ばして1時間半ほど。
立ち並ぶ海の家はまだどれもしっかりと戸締まりされていて、海岸にも人影はない。
自動販売機で買った缶コーヒーを飲み終えるだけの時間、波打ち際を歩く。
そして、来た道をとって返す。
常磐道のつくばのあたりで集中豪雨に突っ込み、たちまちずぶ濡れに………しかし、最高に気持ちがいい。
行きと同じく1時間半で戻る。
シャワーを浴びて、何事もなかったかのように午後の打ち合わせに。
移動の電車の中でも、西陽の射す気だるい会議室にいても、体の中ではずっと波音が反響し、目の前の光景の背後には、 太平洋が広がっていた。
ときどき、こんなふうに海との繋がりを確認したほうがいいのかもしれない……。
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