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レイラインハンター内田一成の「聖地学講座」
vol.277
2024年1月4日号
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◆今回の内容
○宇宙意識の初夢
・果てしなき流れの果に
・意識とノウアスフィア
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宇宙意識の初夢
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昨年最後の前回の講座では、2024年が激動の年になるだろうと書きましたが、まさか元日早々に能登が大地震に襲われるとは夢にも思いませんでした。そして、翌二日には、能登へ救援に向かうはずだった海上保安庁機と日航機が衝突するという大惨事になり、海保機の乗員が亡くなるという痛ましい事故まで起きてしまいました。
能登で亡くなられた方々、海保機の乗員の方々のご冥福を祈るとともに、能登の地震が早く収束し、復旧へ向けて迅速に対応できるようにお祈りしております。
能登の地震に関しては、この三年あまり群発地震が続いて心配していました。この講座でも拙著『レイラインハンター』の第8章「能登・イルカ伝説と泰澄」でも、能登の聖地と断層の関係に触れました。能登半島の中央部を走る邑知潟(おうちがた)断層帯に沿って、泰澄が土地鎮めのために経文を記した巻物を鉢に詰めて埋納した場所が続きます。それは今でも「鉢ヶ崎」や「八ケ崎」などの地名として残っています。
邑知潟断層帯は能登半島の七尾から羽咋へ、北東から南西へ向かうもので、ちょうど能登半島のくびれの部分に広い谷を形成しています。今回の地震は、この断層帯の北側に沿うように震源が連なっています。海の中は断層の様子がはっきりわからないため、どのような構造になっているのかは不明ですが、その方向と伸び方を見ると、海にまで断層の帯が伸びていることが想像されます。
邑知(おうち)は「オロチ」が訛ったものともいわれ、巨大なオロチが地面の下でのたうつことで地震が起こると考えた古代人たちが、これを恐れて名づけたものではないか、そして、泰澄はそれを鎮めるために経を埋納したのではないかと私は推測しています。
邑知潟断層帯が盛んに地震活動していたのは、およそ3200年前と推定され、散発的な活動は9世紀頃まで続いたと考えられています。泰澄は7世紀後半から8世紀前半にこの地方で活躍した人ですから、そうした地震活動の一端に遭遇したのでしょう。
オロチ=蛇は水神であり龍とも同一視されます。辰年の始まる元旦に能登に眠るオロチが動いたと考えると、偶然とはいえなんとも不気味です。
(補記: 後に、気象庁は今回の能登半島地震の震源域を邑知潟断層帯の北部を走るF43断層の珠洲沖セグメントで発生したものと特定しました。しかし、この周辺は断層の巣ともいえるようなところで、今後、邑知潟断層帯を含む周辺の断層に影響を及ぼす可能性もあるとされます)
地球温暖化によって、世界は極端な異常気象に見舞われるようになってしまったわけですが、そうしたことと、311以降に日本列島が地震活動期に入ったことを考えれば、どこにいようとも安心はできません。常に大災害への備えと心構えをしておくべきでしょう。今回の地震もその警告と考え、重く受け取る必要があるように思います。
そうしたことも念頭におきながら、今回は人間と自然との関係から、宇宙、そして意識へと思いを巡らせてみたいと思います。
●果てしなき流れの果に
毎年、年末年始に再読したくなる一冊に、小松左京の『果てしなき流れの果に』があります。この作品は、『見知らぬ明日』『継ぐのは誰か』とともに、小松左京が人間の文明と進化、そして意識との関係を宇宙的視点でとらえた三部作の一つで、とくに人間の意識に焦点を当て、これを掘り下げています。意識が自我を超え、さらに超自我をも超えて突き抜けていく可能性について考察した、非常に哲学的な作品です。
ちょうど年の変わり目に、この作品を読み返したくなるのは、新たな年に向けて自分の意識を刷新して臨みたいといった潜在的な思いがバネになっているからだと思いますが、前回も触れたように、2023年はLLMの登場と生成AIの飛躍的に進歩を目の当たりにして、「意識とは何か」ということが真摯に問われるようになったこともあり、これまでよりもさらにこの作品を振り返ることが重要に思えました。
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