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レイラインハンター内田一成の「聖地学講座」
vol.222
2021年9月16日号
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◆今回の内容
○地球の息吹を感じること
―ガイアシンフォニー第三番―
・Think The Earth
・宇宙船とカヌー
・ホクレア
・地球に息吹を感じる者たち
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地球の息吹を感じること
―ガイアシンフォニー第三番―
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誰にでも、特別に心に残る文学や映像作品があると思います。私にも、人生のいろいろな節目で出会い、それが心に残ると同時に、後の人生に影響を与えた作品がいくつかあります。
そんな中で、不思議な縁に作品全体が包まれているのが、今回とりあげる「ガイアシンフォニー(地球交響曲)第三番」という作品です。
「ガイアシンフォニー(地球交響曲)」は、NHKの教養部でドキュメンタリー作品のディレクターを務めていた龍村仁氏が独立して手掛ける映画シリーズで、1992年の第一番公開以来、現在まで9作品が発表されています。
作品のタイトルにある「ガイア」は、ジェームズ・ラヴロックが提唱した地球を一個の有機体生命としてとらえ、あらゆる生命はその有機体=ガイアの細胞ともいえる構成要素であり、すべてが協調しているという「ガイア理論」から取られています。
環境破壊に苦しむ現代、人類が平和で幸福に暮らすためには、何よりガイア=地球自体が健康でなければならない。そのために我々はどんな生き方を選択しなければならないのか。それを考えるために、地球とともにあることを意識して様々な活動を行っている先駆者たちに取材し、その生き様と思想からヒントを得ることをコンセプトにしています。
このシリーズで焦点を当てられている人物は、冒険家からアーティスト、農業研究者、動物学者、環境学者など多岐に渡りますが、それぞれの分野を追求していくことで、いずれもガイアを意識することに繋がっていきます。全く異なる分野でありながら、コアの部分では、いずれもガイアと分かちがたく結びついていることが明確になっていくのです。
それを観る私たちは、彼らの意識を通して、ガイアが生き物であり、私たちがそこに含まれて生きている、そしてガイアを生かしている存在でもあると感じさせてくれるのです。
このシリーズの中の第三番が、どうして私にとって不思議な縁に満ちているのか、それをこれから物語っていきたいと思います。
●Think The Earth●
前回、今年は、私が聖地を訪ね歩きはじめて30年が過ぎ、あらたな気持ちでまた聖地や自然と向き合っていこうと思うと書きました。そんな気持ちを抱きながら、コロナ禍でもあるので人のいない場所を選んで取材しようと出かける前日、たまたま友人が、このガイアシンフォニー第三番のDVD持参で内輪のワークショップにやってきて、もうひとりの友人と三人で鑑賞することになったのです。
この作品で助監督を務めた上田壮一さんとは、1995年から一年あまり、SEGAのゲーム企画の仕事でご一緒しました。「シェンムー」というビッグタイトルのメインストリームのシナリオを作るのが私たちの仕事で、一緒にゲームの舞台となる中国各地を取材したり、深夜までいろいろなアイデアを出し合ったり、楽しく仕事をしました。
彼は、その前は電通で広告ディレクターをされていて、自動車会社を担当していたのですが、当初、シェンムーのディレクターだった水口哲也さんに誘われてこのプロジェクトに転身されたのでした。もっとも、彼はSEGAに関わる前から、ガイアシンフォニーの監督の龍村仁さんと交流があり、その世界観に共感して作品作りを手伝うことを決めていたようですが。
ある日、上田さんがひどく落ち込んでいて、どうしたのか尋ねると、彼が助監督を務める「ガイアシンフォニー第三番」で全面的に紹介することになっていた写真家の星野道夫さんが急逝されたというのです。
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