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レイラインハンター内田一成の「聖地学講座」
vol.132
2017年12月21日号
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◆今回の内容
◯形態形成場としての聖地
・シェルドレイクの仮説
・密かに芸人が願掛けする小野照崎神社
◯お知らせ
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形態形成場としての聖地
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最近、少し不思議なことを経験しました。
10月に四国に聖地取材に行き、何の拍子か右の首筋から右腕にかけて鈍い痛みが走って、その後ずっとしびれるような痛みが続いて、右手をあげられない状態が続いていました。五十肩だろうとたかをくくって我慢していたのですが、二ヶ月経っても一向に改善されず、そろそろ病院にいったほうがいいかなと、12月に入ってから思いはじめていました。
その痛みを抱えたまま、8日にNHKの番組の取材ロケがあり、神田明神に行きました。ここで主演の指原莉乃さんに方位除けの説明をするために、方位除けの護符を購入し、その説明をしました。
神田明神は、元は江戸城内に祀られていたものですが、三代将軍家光のときに、側近だった天海僧正が進言して、江戸城の鬼門を封じるために現在の場所に置かれたと伝えられています。
平将門といえば、大手町にある首塚が有名ですが、この神田明神には将門の胴が祀られているとされ、他に、手、足、鎧、兜、将門の首を落とした刀を祀る神社があって、それを結ぶと、江戸城の北側に魔除けの北斗七星が描き出されるとされています。ちなみに、「神田」という地名は、将門の体を祀った場所だから「体=カラダ」と呼ばれていたものが訛って「神田=カンダ」になったといわれています。
神田明神はそうした意味を含んだ鬼門除けの神社であることから、将門の護符があるのです。護符は四枚一組で、黒=玄武、青=青龍、赤=朱雀、白=白虎を意味する四色に分かれいます。これを、黒=北、青=東、赤=南、白=西と、それぞれの方位に対応する場所に貼れば、結界を成すという仕組みです。
ロケが済んで、そのまま護符を持って帰り、せっかくだからと部屋の四方に貼ったのです。翌日、目が覚めてみると、二ヶ月間ずっと悩まされていた肩から腕にかけての痛みがウソのように消えていたのです。
実際のところは単なる偶然なのでしょうけれど、あまりのタイミングに、護符の効用である可能性も完全には否定できない気がします。もしかすると、痛みをなんとか取り除きたいという潜在意識があって、護符を貼った行為が、無意識のうちに自己回復力を増幅してそれが効果を発揮したのかもしれません。それならば、「護符が効いた」と言っても間違いではありませんね。
また別な見方をすれば、神田明神という「場」に行ったことが、回復のトリガーになったという可能性もあります。そこが将門の「体」を祀った場所であり、加えて魔除けの場所であるというイメージが先にありますから、実際にそこに行けば、そのイメージが強化されます。さらに、その場を訪れた人たちの意識が独特の雰囲気を醸成していて、それもイメージ強化の要素となるでしょう。
そうした、歴史的なバックボーンや人の意識が積み重なることで特有の雰囲気を持つ場所のことを「形態形成場」あるいは「形態場」と呼ぶことがあります。
今回は、私の他の最近の経験も交えながら、この「形態形成場」という概念について考えてみたいと思います。
【シェルドレイクの仮説】
たとえば、過去に何か陰惨な事件があったり、人が無念のうちに亡くなった場所に、その人の想念が残り、それが怨霊や幽霊となって、後にそこに訪れた人に害を成すと信じられたりします。つい最近では、座間で猟奇的な事件がありましたが、あんな事件が起こったアパートは、もう誰も住まないだろうなどといわれたりします。引っ越しを考えている人が、「大島てる」という事故物件をまとめたサイトにアクセスするのも、そうした場所にネガティヴなイメージを持つからでしょう。「ヘルハウス」やら「悪魔が栖む家」といった映画のモチーフも、世界各地にある「幽霊屋敷」の類も、「場」に怨念が残るというイメージが元になっています。
また、有名人がそこを訪れて結婚したことがきっかけとなって「恋人たちの聖地」となったような場所もあります。これも、その場所に想念や幸せな記憶が刻まれ、そこを訪れることで同じような想念を持てたり、幸せな記憶を共有できると感じられることが、そこを特別な「場」にしているわけです。
イギリスの生物学者ルパート・シェルドレイクは、そんな場所とそれが生み出されるメカニズムを「形態形成場(モルフォジェネティク・フィールド)」と名づけました。ただし、彼はそれを断定的な意味で用いたわけではなく、あくまでも仮説として提出したので、形態形成場の概念は「シェルドレイクの仮説」とも呼ばれます。
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