今朝は、底冷えがするなと思って雨戸を開けてみたら、地面を立派な霜柱の絨毯が覆っていた。思わず、サンダルを突っかけて飛び出し、サクサクと踏みしめた。
子供の頃の冬の朝は、祖母が作る小さな畑の一番端の畝に植えられたニラを取りに行くのが日課だった。一掴みのニラを祖母に渡すと、それは朝餉の味噌汁の具になった。
土がむき出しの庭には、やはりこんな霜柱が立っていて、それを踏んで歩く感覚がなぜかとても好きだった。
今朝、久しぶりに霜柱を踏んで、そんな子供の頃の何でもない一日の始まりを思い出した。そして、何事も無く、いつものように朝を迎え、一日を過ごせることがこの上なく幸せなのだと悟った気がした。
今日は七十二候でいうと、「黄鶯睍睆(うぐいすなく)」。この景色からは、そんな気配は感じられないが、もう近くの森にはうぐいすがやって来ていて、鳴き出すタイミングを待っているのかもしれない。
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