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レイラインハンター内田一成の「聖地学講座」
vol.32
2013年10月17日号
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◆今週のメニュー
1 遍路・巡礼の意味
・遍路とは
・四国遍路とその他の巡礼路
・伊豆辺路の再発見
2 お知らせ
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遍路・巡礼の意味
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先週の半ば、「讃岐七箇所参り」に行ってきました。
これは、四国霊場八十八箇所のうち、香川県丸亀市にある71番から77番までの七箇所の札所を巡拝するもので、71番弥谷寺は大黒天、72番曼荼羅寺は福禄寿、73番出釈迦寺は恵比寿、74番甲山寺は毘沙門天、75番善通寺は布袋尊、76番金倉寺は弁財天、77番道隆寺は寿老人と、それぞれ七福神の一柱が祀られています。
本来は、地元の人たちが初春に巡っていた風習で、一般的な七福神巡りだったのでしょう。それが、いつの頃からか、この七箇所を巡ることで八十八箇所を巡拝したのと同じ御利益が得られるとして、手軽な四国遍路コースとして知られるようになりました。
私たちは朝の8時に高松を車で出発し、9時過ぎから巡り始め、15時には七箇寺を巡り終えました。平日でしたが、先達に率いられた団体の遍路が何組もいて、どの寺も賑わっていました。歩いて巡ったとしても、丸一日で巡ることができ、手軽ではありますが、その割には達成感のあるコースになっています。
遍路や巡礼というと、長く困難な道を辿るストイックなイメージがありますが、四国ではこうした手軽に遍路気分が味わえるバリエーションコースが古くからいくつも用意されていました。最初はトライアルとして讃岐七箇所巡りのようなコースを巡り、それが成就したら八十八箇所を本格的に巡礼したくなる。そして、何度かに分けて八十八箇所の満願を果たすと、今度は八十八箇所を一気に巡る「通し打ち」をしたくなる。さらに、閏年には逆回りが正式なルートとなるので、これも制覇したくなる。10年ほど前、中高年の間で、日本百名山ブームがありましたが、人は一つのことを成し遂げると、記録を積み重ねていきたくなります。「百名山」のように明確なテーマがそこにあると、これに飛びついてしまう。同じことが、四国遍路では1200年前に発案されて、整備されてきたのでした。
さらに、四国遍路では、「納め札」と呼ばれる短冊型の札に願い事を書いて八十八の寺に納めていくのが作法とされています。この札は、八十八箇所巡りを成就した回数によって色が異なります。1から4回めは白、5から7回めは青、8回以上は赤、25回以上は銀、50回以上は金、そして100回以上の巡礼では錦の札を納めます。納め札は遍路のステータスを示すシンボルになっていて、単に自己満足だけでなく、他人に対して自己をアピールする要素まで考えられているわけです。
こういう言い方をすると四国の人に叱られそうですが、四国遍路は観光誘致の施策として、じつに巧妙なシステムであるといえます。
しかし、この遍路とは、本来はどのようなものだったのでしょか。
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