TMCA北関東のホームグラウンドの一つである桶川市の城山公園でツリーイング体験会が開かれた。 朝から30℃を越える猛暑の中、ロープセッティングを終えるだけですでに熱中症気味になるほど。
それでも、午前中には一組、午後には三組の家族連れが参加してくれて、中には高さに怖じ気づく子もいたけれど、 みんなそれぞれ楽しんでもらえた。
ぼく自身、夏場のツリーイングは初めてで、青葉が繁る夏の樹木にうまくロープが掛けられるのか心配だったが、 現場でメインのゲレンデとなるクヌギを見上げて、「なるほどなぁ」と唸ってしまった。
というのは、もっとも密に葉が茂っているのは最上層の太陽の光をいちばん受ける部分で、 下の方の枝になるほど葉は少なくなっていって、ロープをかけるためにガイドラインを引っかけるための枝が容易に見つかるからだった。
光合成をして養分を貯めるためには、表面積を広くして、そこで効率よく光を受け、 内側の陰になる部分は枝葉を減らしてエネルギーの消費を押さえたほうがいい。それを最大の効率で行っているのが、よくわかる。それも、 ツリーイングを通して、木と真剣に向き合うようになったからだろう。
風がなく、耐え難い暑さの朝だったが、気温がさらに上がってくると、空気が動き出して、 樹上にいると気温の上昇に反比例して凌ぎやすくなってくる。
このクヌギの木は、この公園の中では樹高が抜きんでているので、そのトップ近くまで登ると、公園全体を見渡すことができる。 午前中に参加してくれた家族のお父さんは、一人、その高さまで到達して、ずっと風に吹かれてのんびりとしていた。
海に波があるように、樹上で風に吹かれていると、風にも波があるのがわかる。その揺らぎがなんともいえず心地いい。 これが岩山の頂上やビルの屋上だったら、風の緩急は体感できるが、波は感じられない。大小の木々と、その繁った葉の間を通り抜けるとき、 空気の流れが速度と方向を微妙に変化させて、それがまさにさざ波となって漂ってくる。 そんな自然の中に含まれるフラジャイルを味わえる感性を大切にしていきたい。
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