夏本番の暑さも、これで克服
--プラティパスウォーターボトル&ドリンキングチューブ--
アウトドアアクティビテ ィで欠かせないのは水分の補給です。とくに真夏のフィールドでは、 大汗をかいて一気に水分を失って、短時間のうちに脱水症状にまで至ってしまう危険もあるので、こまめな水分補給が必要となってきます。
ノーマルな方法としては、カンティーン(水筒)をザックに入れておいて、 休憩時に取り出して水分補給することですが、個人的には、 アウトドアスポーツのアスリートたちが利用しているハイドレーション(水分補給)システムを利用することをお勧めします。
私が普段使っているのは、ポリエチレン製の軽くかさばらない水筒としてすっかりお馴染みとなった 「プラティパスウォーターボトル」 に専用の「ドリンキングチューブ」を組み合わせたものです。
ハイドレーションシステムとは、 専用のパッキングキャリアやハイドレーションシステムに対応したポケットとホールを供えたザックに専用のウォーター(ボトル)キャリアを収納し、 吸い口のついたチューブをザックのショルダーベルトなどに固定しておいて、必要なときに、その吸い口を噛んで水分補給するものです。
**水を入れたプラティパスウォーターボトルにドリンキングチューブを取り付けて、 ザックのハイドレーションポケットに収納。 ハイドレーションホールからチューブを外部に引き出す**
脱水症状の予防に
クロスカントリーランナーやサイクリスト、レーサーなどが、競技中に余計な動きを必要とせず、 水分補給できるように考案されたものですが、これは、普通の登山やトレッキング、サイクリング、オートバイツーリングなどでもお勧めです。
ハイドレーションシステムの利点は、まず、その簡便さです。普通なら、 ザックをおろしてカンティーンを取り出し、蓋を開けて水分補給し、蓋を閉めて、収納して、またザックを背負ってといった一連の動作が、 吸い口を引き寄せて吸うだけとなります。普通の登山などでも、足を止めずにわずかの水分を補給したいことがあります。また、 オートバイツーリングやオフロードレースなどでは、ヘルメットを被っているため、水を飲むためには、 先に挙げた一連の動作にプラスしてヘルメットの着脱まで必要になります。ハイドレーションシステムを使えば、そうした手間が一気に解消されるわけです。
喉は渇いたけれど、水筒を取り出して飲む手間が面倒なので、ついつい我慢しているうちに、 気が遠くなってきて……といったことは、炎天下のアウトドアで激しいアクティビティを行ったことのある人なら、 多かれ少なかれ経験があると思います。
じつは、これがすでに危険な脱水症状への入り口となっています。 立ちくらみのようにクラッとする症状から、全身が怠くなったり、足がつったりといった顕著な症状が現れ、 さらには症状が進んで人事不省に陥るといったところまで、意外なほど短時間で進んでしまいます。 その脱水症状の初期を予防するという意味でも、効果があります。
また、いつでも水分を補給できる手軽さから、喉の渇きがひどくなる前に小刻みに水を口にできるので、 乾きを我慢したあげく、休憩時に水をがぶ飲みして体調を崩したり、 筋肉がつったりといった水の過補給によるミネラル濃度低下の症状なども防げます。
**ザックから引き出した吸い口は、普段はショルダーベルトに取り付けたホルダに収納しておく。 必要なときは吸い口を引き出して口に咥える**
**吸い口は普段は閉じていて、上下を噛むことによって口が開いて、水が吸い出せる**
意外な「冷房効果」
こうしたハイドレーションシステムを用いることで、じつは冷房効果があることは、 あまりうたわれておりません。専用のキャリアを用いるにしても、ザックに収納するにしても、ウォーターキャリーが背中側にくるため、当然、 水の冷却効果があります。そして、最近のザックでは、背中に当たる部分にメッシュ素材などを用いて蒸れない工夫がされていますが、 これが気化熱によってウォーターキャリーを冷やす効果を生み出して、ザックにカンティーンを入れておく場合などに比べ、 水が温くならないのです。
とくにオートバイツーリングやサイクリングのように、 ザックと背中の間を風が通りやすいシチュエーションでは、ずっと水が温くならず、しかも適度な冷却効果が続いて、 とても快適にアクティビティを楽しむことができるのです。
このところ、今年のツーリングマップルの取材装備についてご紹介してきましたが、 ハイドレーションシステムも「定番」装備として、毎年活躍してくれています。
尚、私はプラティパスのノーマルボトルをハイドレーションシステムとして利用していますが、 プラティパスにはドリンキングチューブがよじれたりしないようにボトルの口をオフセットしたモデルも用意されています。
また、こうしたハイドレーションシステムを最初に実用化して、 今では様々なバリエーションを展開しているメーカーに「キャメルバッグ」 があります。キャメルバックの創設者マイケル・イードスンがフリーハンドで水分補給できるシステムとして、 点滴のバッグを改造して作ったのが始まりです。
註)「ハイドレーションシステム」は広義には、普通のカンティーンなども含み、ここで紹介したシステムは 「フリーハンドハイドレーションシステム」と呼称する場合もあります。
■プラティパス(英語サイト)
http://www.platypushydration.com/
■キャメルバッグ(輸入元・モンベル)
http://www.montbell.com/japanese/products/brand_camel.html
■アウトドア・ベーシック・テクニック テクニック編step2
http://obtweb.com/technic/step02.html
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