沖縄土産に、こんな飲み物をいただいた。
数ヶ月前、新橋の沖縄料理の居酒屋で友人と酒を飲んでいて、なぜかコーヒー牛乳の話になった。
「銭湯行ったら、風呂あがりには、やっぱりコーヒー牛乳だよな」と、昔日を懐かしんで盛り上がっていると、店の女将が、「沖縄では、風呂あがりにはミキさぁ」と、話に割り込んできた。彼女曰く、ミキはコメから作った甘い飲み物で、沖縄ではとてもポピュラーなのだという。
そのとき飲んでいた三人は、みんな何度か沖縄に行ったことがあるのだが、誰も『ミキ』なる飲み物を知らなかった。
女将は、『ミキ』でスイッチが入ったようで、それから、得体の知れない飲み物について、滔々と語った。そして、どうして内地にはミキがないのか不思議でたまらないと、何度も首を振った。
こちらは、女将の解説にまったく見当がつかず、その後も、『ミキ』なる飲み物がどんなものなのか、疑問妄想が膨らんでいった。
そして、今日、ついに、その現物とご対面することとなった。
まだ飲んではいないのだが、ずっと気になっていた代物だったので、すかさずこれをFBにアップした。すると…琉球の祭祀を司っていた女性シャーマンである聞得大君の血筋を引く友人から、すかさずコメントが入った。
「これはね、昔は神女が地域内のお祭り、お供え用として口噛酒として用意した名残」
口噛酒なんて、文化人類学のテキストで読んだのと、子どものときに観ていた『はじめ人間ギャートルズ』でセクシー原始人が噛んでいたくらいしかイメージがなかったが、まさか実際にそれがあったとは、しかもボルネオかアマゾンのジャングルの奥の話ではなくて、沖縄のことだというのだから驚いた。
あの女将に、どうして「ミキ」という名前なのかと聞いても、「子供の頃から身近にあったので、名前の意味なんて考えたこともなかったさぁ」ということだったが、図らずも、「ミキ」は「神酒」が由来であることが判明した。
こんばんは、よく冷やして、この口噛酒由来の神酒をありがたく味わおう。
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