**20年前に、
初めてシルクロードに同行したときに写真の取り方から歴史のレクチャーまで、4何から何までお世話になった石嘉福氏。今回、
20年ぶりにシルクロードの旅が実現できたのも、4石氏のおかげだ**
28日は、クチャ滞在二日目。今朝は、朝から歓迎のセレモニーがあり。クチャの目抜き通りを封鎖して、 両側で多彩な少数民族が踊りを披露する中を、ぼくたちが行進するという「逆パレード」状態(笑)。
ひな壇に座らせられて、目の前を通り過ぎるパレードを見送るよりは退屈せずに済んだのはありがたかったが、こうした公式訪問では、 自由気ままに動き回れずに、スケジュールがびっしり決められてしまっているのが厳しい。
午後は、仏教遺跡として名高い「スバシ古 城」へ。ここは、玄奘三蔵も足跡を残した古い仏教都市遺跡で、 川(ふだんは水がなく、広大な河川敷様になっているが)を挟んで、東西に特徴的な仏塔が残る都市遺跡がある。
日干し煉瓦を積んで、その上にさらに泥を塗り固めた建物は、半ば朽ち果てて、往時を偲ばせる痕跡はほとんどないが、 天山山脈の前衛の乾いた山を背にして、眼下には地平線まで平坦な灼熱のゴビが続く風景の中で、人が生活を営んだ痕跡が残っている、 そのことだけで奇跡のように思える。
シルクロード沿いには、こうした仏教遺跡が多く残るが、中には、まだきちんとした調査をされず、人知れず眠っている遺跡もあって、 そこには、極彩色の壁画なども現存しているという。
それは、車が入れる場所から徒歩で何時間も、あるいは何日もかかる場所にあるという。 いずれ、 タクラマカン砂漠を舞台に、ラクダのキャラバンを組みたいと思っているが、そんな歴史探検の要素も交えれば、面白いものになりそうだ…… 歴史的に価値の高い文物だから、それを荒らさない工夫や、逆にそうした埋もれた文物に目を向かせて、 保存運動に結びつけるといった社会的な目的も持って行う必要があるとは思うが。
スバシ古城の後に、同じようなロケーションの場所にある漢代の狼煙台を見学する。 さえぎるものの何もない場所で太陽に焼かれていると、カメラなどすぐに触っていられないほどに熱を帯びてしまうが、 木陰に入るといきなり涼しくなって、快適に過ごすことができる。
ちょうど関東は梅雨の真っ只中でさぞかし蒸し暑いと思うが、あの暑さを思うと、乾燥地帯のここのほうが、 まだ過ごしやすいのかとも思ってしまう。
炎熱の砂漠の中の遺跡からクチャの市内に戻り、今度は、バザールやかつての王宮を訪ねる。
**クチャのウイグル族バザール。
ちょうど、フルーツの季節で、スイカや瓜などがたくさん並ぶ。クチャの特産は白いアンズで、とても甘い**
**フルーツの季節は花の季節でもある。
左は、旧王宮の中庭。クチャに伝わるキジ楽は、雅楽の原型ともいわれるもので、ちょっとした催しでは、
かならず奏でられる**
ところで、今回は多国籍な取材者ということで、各国語の通訳がスルーガイドについたバスで移動している。
ぼくが乗っているバスは、日本語のできるメンバーと香港からのメンバーの乗り合いだが、ウルムチからずっと一緒の四人は、 すっかりこの旅で仲良くなって、和気藹々と楽しんでいる。
今回、ぼくがこの旅に参加できるように手配してくれたのは、20年前にやはりこの同じ新疆を一緒に旅して、 まだ駆け出しだったぼくに取材のイロハを教えてくださった写真家の石嘉福氏。 20年前のNHKシルクロードシリーズが始まる前からこの地方に分け入り、シルクロードシリーズでもコーディネーターを務めた大ベテラン。 その石氏ももちろん、同じバスに乗っている。
それから、パキスタンで「コックス& キングスパキスタン」という旅行会社を経営しているシャー氏と、統括マネージャーの白井さん。シャー氏は京都に留学した後、 京都が気に入って、日本での自宅も持って御子息も京都の学校に通わせているという日本通。白井さんは、 クラブツーリズムの企画などを国内の旅行会社でされて、その後、シャーさんの片腕となって活躍している。
シャーさんは、山もベテランで、日本山岳会の京都支部にも所属しいる。また、パラグライダーが趣味で、 カラコルムの空を飛ぶのが夢だという。
コックス&キングス パキスタンでは、 カラコルムハイウェイを辿るバイクツアーなども企画しているとのこと。雄大な中央アジアの自然を舞台に、 いろいろなアクティビティを実現できる、頼もしいパートナーとなってくれそうだ。
**「コックス&キングスパキスタン」
の社長・シャーさんと、統括マネージャーの白井さん。様々な話で盛り上がれる仲間がいると、俄然、
旅が楽しくなる**
**今回、
我々のバスのスルーガイドを務めてくれているヌルビアさん。ヌルは光、ビアは輝くの意味。その名の通り、明るい、
カシュガル出身のお嬢さん**
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