昔から、自分一人で中長距離の移動をする場合にはパニアケースをつけたオートバイを使うことが多い。
ぼくが今乗っているのは、
BMWR1200GSという大型のデュアルパーパス(オンロードからオフロードまでカバーする)モデルだが、これにパニアケースをつけると、
左右で80リットル弱のトランクスペースができて、長期間のツーリングに必要な装備のほとんどを詰め込むことができる。
人一人もしくは二人で移動する場合、このバイクだと17km/lほどの燃費で、高速道路の利用料金も安いので、リーズナブルだし、
何より環境効率がいい。
近距離の移動の場合、ほとんどは徒歩、自転車、公共交通機関を利用するが、荷物が多かったり、帰りの時間が読めないときは、
やはりオートバイを利用するケースが多い。
しかし、そんな近距離移動の場合、混雑する都会の道を走るわけで、
左右に大きく張り出したパニアケースをつけていると機敏に走ることができず、ストレスが溜まってしまう。
キャリアに装着するトップケースを使えば、左右の張り出しもなく、ストレスなく都会の渋滞路を行くことができるのはわかっていても、
振動の問題や浸水の問題などで二の足を踏んでいた。
そんなところへ、今回紹介するCOOCASE(クーケース)が登場してきた。
このクーケースは、
長年ヨーロッパメーカーのヘルメットをOEM製造してきた中国のメーカーがヘルメット製造で培ってきた技術を元に作り出したトップケースで、
昨年の登場以来、欧米で大ヒットを記録してきた。
そのCOOCASEが国内に登場したので、
さっそくベースモデルとなる36リットル容量の"WIZARD(ウィザード)"を手に入れてみた。
COOCASEは、48リットル容量のアストラ、36リットルのウィザード、28リットルのフュージョン、
同じく28リットルの簡易型ヴィーヴォの4種類がある。普段持ち歩くブリーフケースや書類、ノートPCをビジネスバッグと、
雨具やジャケットを余裕で収納でき、移動の際に中でバタつかず、さらに異動先ではヘルメットを収納できる……
といった条件にぴったりマッチするのはウィザードだった。
梱包から出してみて、まず驚かされたのがその仕上げの美しさ。
ヘルメットを成形するときに用いられる窒素充填法という技術を使ったCOOCASEは、
樹脂材料が全体に均質に行き渡り気泡もほとんど含まないために、まさにヘルメットの帽体のような美しい輝きを放っている。
この技法によって、従来のトップケースよりも30%あまり軽量化されていながら、剛性は逆にアップしているという。たしかに、
他のトップケースは、リッドに圧力をかけるとペコペコしているが、これは、かなりな力をかけてもへこむことはない。印象としては、
アルミケースに近い剛性感、強度感がある。
それにともなって、「立て付け」もしっかりしていて、上下のリッドがしっかりと収まってガタつきもなく、
防水パッキンとの効果もあいまって、かなり防水性能は高そうだ。
リッドの開閉はプッシュボタン一つで、車のトランクリッドと同じようにリッドが少し浮き上がり、ワンハンドで操作できる。
さらにそのまま持ち上げて、一杯まで上げると、そこで両サイドについたストッパーによって固定できる。普通のケースはパニアケースも含めて、
リッドを片手で押さえ続けていなければならないので、両手で支持しなければならない嵩張るモノの出し入れが面倒だったが、
これなら楽に出し入れできる。
ケースの内側は、上下に柔らかいインナーが装備されていて、傷つきを防ぎ、衝撃を緩和してくれる。
他社製のキャリアやベースにも装着可能な汎用アダプタが付属しているので、さっそく純正キャリアに装着して、試してみるつもりだ。
**上がリッドのオープンボタン。ボタンを押し込むと、リッドがわずかに浮き上がり、ワンハンドで操作できる。
下のボタンはケース本体をアダプターから外すためのもの。ケース自体もワンタッチで着脱可能だ**
**窒素充填成型のシェルは、軽く強度が高い。剛性感もあって、アルミケースのようなしっかりした印象だ。
防水パッキンを巡らせているので、剛性と合わせて防水性も高そうだ。
上下のインナーは標準装備**
**リッドを最上部で固定するストッパーは、荷物の出し入れに重宝する。また、
これによってリッドがバタンと勢いよく閉じてしまうことも防いでいる**
**背面のヒンジは、長い芯が突き通してあって、剛性感を高めている**
**フルフェイスヘルメットを余裕で収納できる。写真のぼくのヘルメットはジェットタイプだが、
特大サイズで外側にブルートゥースの通信ユニットが装着されているもの**
**各社のキャリアやケースベースに装着できる汎用アダプター、
ボタンをロックするキーが付属する**
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