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レイラインハンター内田一成の「聖地学講座」
vol.113
2017年3月2日号
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◆今回の内容
◯経験科学としての東洋占術
・四国の大規模レイラインと海洋民の風水
・経験科学としての易や風水
◯お知らせ
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経験科学としての東洋占術
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前回配信してから今回までの2週間の間、四国の聖地調査や長野県別所温泉のツアーなど、ほとんど出ずっぱりで聖地巡りをしていました。
四国では、これまでの調査で二至(夏至と冬至)の太陽の出没方向を意識したレイラインや聖地が多いことに気づいていましたが、その根幹ともいえるようなラインを見つけました。後段で詳述しますが、四国に「遍路」という文化が根づいた土壌と仕組みがかなりはっきりしてきた気がします。
別所温泉のツアーは、一般のお客さんをガイドするのではなく、インテリア風水や九星気学で知られる谷口令さん主催で、谷口さんのお弟子さんたちと聖地を巡りながら、レイラインハンティングの手法で聖地に秘められた意味を解説するというものでした。これは私にとってもとても刺激になる旅でした。
【四国の大規模レイラインと海洋民の風水】
四国では、水主(みずし)神社の社殿と参道が夏至の日の出方向を指し示すことを第110回でも紹介しましたが、同様に、空海の出身地である善通寺から高松の屋島北嶺に向かって、国分寺、国分尼寺、袋山、石清尾山と主要な聖地が夏至の日の出方向に一直線に並び、他にもニ至を結ぶレイラインが多数見られます。
今回発見したのは、四国山地の東の最高峰である剣山を中心に伸びるレイラインで、二至だけでなく二分(春分秋分)の方位も含めたもので、四国全体の基準とも呼べそうなものでした。
きっかけは、高松市内から遠く離れた剣山が目視できたことでした。屋島近くの小高い丘からちょうど真南の方向、折り重なる山並みの先に、きれいな円錐形のピークが微かに見えます。一緒に調査していた株式会社四国遍路の佐藤さんが、「あれはもしかしたら剣山じゃないですか」と驚いたように言うのです。
山に向けると山名が表示されるARアプリで確認すると、やはり剣山でした。
四国山地は四国の中央に東西に峰を連ねています。最高峰の石鎚山が1982m、剣山は1955mとともに2000mに足らずで、高松の平野との間は直線距離で50km以上離れ、間には1000mを越える山が何座もあるので、ふつうに考えれば市内から剣山が見えるとは思いません。高松出身の佐藤さんも、今まで市内から剣山が見えるなんて一度も考えたことがなく、私よりも気がついた本人のほうが驚いていました。
さらに、高松だけでなく徳島市からも剣山まで見通せる「剣山遥拝所」があることを知り、徳島市もその位置に意味があるのではないかと調べてみました。すると、剣山から見て徳島市は夏至の日の出の方向に当たることがわかりました。これは、香川県を斜めに横断するニ至のラインに一致します。
さらにデジタルマップでシミュレーションを進めると、高知市は冬至の日の出方向、松山市は真西に位置していることがわかりました。しかもそれだけではなく、徳島市の先にラインを伸ばすと、奈良市の中心を抜けて名古屋市に達し、東にラインを伸ばしていくと熊野本宮、西は松山市を越えて宗像大社に当たります。
剣山には様々な伝説が伝わっています。曰く、ユダヤの失われた10支族の一部が日本に渡来し、アークを埋めたといったインディ・ジョーンズのような話から、剣山の中に地下都市があるとか、あるいは空海の秘宝が隠されているいるとか…いずれも荒唐無稽な話ですが、こうした話が生まれる背景には、この山が古くから謎めいた信仰の山として崇められてきたことを証明するものでもあります。
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