初詣は大洗磯前神社にお参りしてきた。
茨城の実家から車で30分ほど。ここは、 国造りの神としてしばしば登場する大己貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなびこなのみこと)が祭られる。
この二柱の神様は、出雲大社を起点として、日本海側を能登、東北へと北上し、さらに津軽海峡を回り込んで、 東北の太平洋沿岸からこの大洗磯前神社にかけて、海からやってきた開闢神として祭られるケースが非常に多い。
昨年末、日本の古代に祭祀を司った忌部氏を調べる機会があり、今年は、 忌部氏に代表される金属精錬に関わる氏族や歴史を掘り下げてみる年にしようと思った。
その皮切りに大己貴命を祭る神社に初詣に出かけたのには理由がある。
大己貴命は出雲大社の祭神である大国主命の別名だが、大己貴命と表記される場合には、鉱山と関係する事象を表していることが多い。 これと対になる少彦名命は、一寸法師のモデルともされたともいわれる小人の神だと伝えられている。
長い間、どうして鉱山と関係する大己貴命が少彦名命とセットにされているのか不思議だったが、昨年末にある資料を当たっていると、 古代から近世にかけて、欧米の鉱山では背丈の低い人間が鉱山では重宝されて、最前線で使われていたことを知った。さらに、 タタラ製鉄の際に釜から立ち上る火の粉が銑鉄の良し悪しを図るバロメーターとされ、火の粉自身が神格化されたのではないかと示唆されていた。
とすれば、鉱山技術者を意味する大己貴命と鉱山で働く人や火の粉を表す少彦名命がセットで登場することが多いのは、 至極当然といえる。
昨年の夏、長い間フィールドワークを行ってきた『レイラインハンティング』 のCD-ROMを自主制作したが、今年は、その書籍化を皮切りに、金属精錬のマジカルな世界など、 新たなフィールドワークに本格的に取り組んでいきたい。
大己貴命と少彦名命が上陸してきたと伝えられる大海原を拝みながら、ダイナミックな旅のスタートを切ることを磯前神社に宣言した。
ありがとうございます。私は昨年、全国神仏巡礼しましたが、阿波は間違いないですね。実際に行ってみて又大杉博先生の「空海の暗号と暗示」を読んでも又空海は神道を守る為に山窩の協力のもと動いてますね。
投稿情報: 卒田 | 2010/01/31 14:13
>卒田さん
コメントありがとうございます。
阿波忌部は、非常に面白いですね。
私は、空海の絡みで四国を見ておりまして、四国八十八ヶ所は空海が仕掛けた巧みな結界だと考えております。
四国ではありませんが、3月には若狭でお水送りに参加するツアーを開催しますので、よろしければ、ぜひいらしてください!!
http://www.ley-line.net/index.html
投稿情報: uchida | 2010/01/31 09:32
はじめまして。鉱山と少な彦の関係なるほどです。色々感心しました。昨年12月に大杉博先生の案内で五社三門に行ったのですが写真撮れなかったので嬉しいです。ありがたいです。夏至と神社の方位も感心しました。私は今阿波の事ばかり考えています。もっと色々行きたく毎日地図を見ています。ツアーの時は是非声をかけて下さい。何卒宜しくお願いいたします。歴史、史跡、神話、日本の風景が好きです。東京都港区在住。
投稿情報: 卒田理愛 | 2010/01/31 05:15
>taruさん
四国は、いろいろミステリアスな歴史がたくさんあります。
今年は、頻繁に伺うことになると思いますので、ご一緒に探索いたしましょう!!
投稿情報: uchida | 2010/01/04 11:05
こんにちは。
僕はちっとも勉強していないので、よくわからないことが多いのですが、興味だけは前々からありました。
今年は是非いろいろと勉強させて下さい。
投稿情報: taru | 2010/01/04 08:54
>bacchirinさん
さらに、空海=高野聖=空海の分身たちの足跡にも一致しているところに、途方もない面白さを感じます。
今年は、空海が本当に眠る場所を暴きたいと思っています!!
投稿情報: uchida | 2010/01/02 23:17
そうなんですね。
米作の、遺伝子の伝搬ルートと、鉄と鉱山のルートも同じなんですね。
投稿情報: bacchirin | 2010/01/02 21:17