昨夜、ニュージーランドから来日している日本人シーカヤックガイドのRyu Takahashi氏と、 ツリーイングインストラクターの梅木智則氏、それから、アウトドアツアーに積極的に参加しているO嬢と四人で楽しい酒を飲んだ。
もともと、二年ぶりに来日したRyu氏と「久しぶりに飲もう」と約束していて、先日のツリーイング講習会に参加したときに、 梅木氏にそんな話をすると、「本場のガイディングについてぜひ知りたいので、ぜひ一緒に」となり、 いつもはお客さんの立場のO嬢に声を掛けると、「みんなと楽しく酒が飲みたい」と合流したというわけ。
日本でもアウトドアアクティビティは多彩で、盛んになってきているけれど、 ガイドしたりインストラクションしたりといったことを生業としている人は少ない。しかも、今のところ、 山岳ガイドのように資格認定機関が認める資格というのはほとんどなく、「正式なアウトドアガイド」となると、もっと少なくなってしまう。
Ryu氏は10年前にニュージーランドに渡って、現地のアウトフィッターに就職し、その後、 現地の試験を受けて正式なシーカヤックガイドとなった。梅木氏はアウトドアアクティビティ全般を教える「アウトワードバウンド」のプログラムを終了した後、 様々な遠征をこなして、アウトドアガイド・インストラクターとなった。二人とも、その道の「プロ」と呼べる数少ない人材だ。
ツリーイングもシーカヤックも、アウトドアアクティビティの中でも、とくに敷居が低くて、誰でもすぐに楽しめるものだが、 だからこそ、奥行きが深いともいえる。
さほどテクニックが必要でない分(もっとも、突き詰めていけば、どちらも「エクストリーム」 と呼べるほど高度な技術を要するものもあるのだけれど)、楽しみをどこに見出せばいいのかということが課題になる。
ただ漫然と技術を教えただけでは、ユーザーはすぐに飽きてしまう。普段とはまったく違う視点から世界を見るといっても、 ただそれだけでは、興味は急速に薄れる。問題は、シーカヤックやツリーイングそれ自体を目的とするのではなく、それを手段として、 何を体験するか。ガイドは、どういった充実した体験をユーザーに提供していくか、そこに傾注しなければならない。
日本では、まだ今のところ、ガイドとインストラクターとの区分けが曖昧だし、 インストラクションとは違うガイディングの技術であるホスピタリティやエンタテイメント性といったところまで備えているガイドやアウトフィッターも少ない。
Ryu氏は、自らの経験を生かして、時々来日してはシーカヤックガイド向けのプロガイドワークショップを開催して、 観光産業の本場である、ニュージーランドのノウハウと、自分が積み上げてきたガイドとしてのスキルを伝授している。
そんな彼のプロガイドとしての知識やスキルはシーカヤックの世界だけでなく、あらゆるアウトドアアクティビティに通用するはずで、 まずは、梅木氏のツリーイングの世界を発展させる契機として導入しようといった話になった。
また、単一のアクティビティだけでなく、いくつのアクティビティを組み合わせることで、 フィールドを楽しむ視点がより広く立体的になり、フィールドや自然に対する理解も深まるだろうと、 シーカヤックの上からツリーイングにエントリーするようなツアーもどんどん実施していこうと盛り上がった。
そんなアウトドアプロパーな三人の話を楽しそうに聞いていたO嬢は、じつは保育園に勤める看護士さんで、 O歳児のクラスを受け持っている。じつは、究極のお客さんを相手にしている彼女が、 ガイディングということに関してはいちばんのプロではないかと、最後に、アウトドアプロパー3人は思い至った(笑)
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