数年前からアメリカのアウトドアシーンで急速に普及し始め、最近、日本でも人気が高まってきているテントがある。それは 「ヘネシーハンモック」というカナダ製のハンモックテント。
ハンモックで寝るというと、軽い昼寝程度ならリラックスできそうだが、一晩じっくり熟睡するというのは、 イメージしにくいかもしれない。
腰が落ち込んで寝返りも打てない普通のハンモックだと、長時間の睡眠では体が痛くなりそうだし、何より、 雨が降ってきたら寝ているどころではない。
ところが、このヘネシーハンモックは、形状をアンシンメトリーとして、人が中でハンモックに斜めに寝るような構造とすることで、 腰が落ち込むことがなく、寝返りも自由に打てる。また大型のフライシートが付属しているので、雨や風も防げるし、 本体の上面はモスキートネットのキャノピーに覆われているので、虫に悩まされることもない。
何より素晴らしいのは、重量がわずか1.2kgしかなく、設営が信じられないほど簡単なこと。 北米のバックパッカーやサイクリストたちが、リリースと同時に飛びついたのも納得できる。
基本的に、二本の立ち木の間に、3.6mから6mの間隔が確保できれば、ヘネシーハンモックは5分以内に設営できる。 木の幹にウェビングロープと呼ばれる太目のナイロンスリングを巻いて、それにハンモック本体のロープを結びつけるだけ。さらに、 本体とフライシートをピンと張るためのガイドロープをペグなどで地面にフィックスすればいい。
注意する点は、メインロープを張るときにしっかりテンションをかけることと、 ハンモックの底面が自分の腰の高さより高い位置にくるように高さを調整すること。
日本は山の国。国土のほとんどが樹林なわけだから、ヘネシーハンモックのキャンプサイト探しには事欠かない。
今年は、アウトドア関係でのキャンプはもちろん、もうすぐ始まるツーリングマップルの取材にも、 この快適簡単テントを多用してみようと思っている。
**重さ1190g、収納サイズ18×25cm。デイパック入れても邪魔にならないサイズ。 こいつをメインテントにしたら、装備は大幅に軽量コンパクト化できる**
**本体を袋から出したら、適当な立ち木を探して、その幹にウェビングロープを巻き、 本体のメインロープを結びつける。しっかりとテンションをかけてやれば、もうこれで最低限、 眠れる状態になる**
**室内の圧迫感をなくし、風に煽られないようにするために、張り綱をフィックス。 これは伸縮性のあるドローコードになっていて、ハンモックが揺れても、ペグが引き抜けたりしない**
**雨が降りそうなら、フライシートを被せる。でも、キャンパーならおわかりなように、 樹林の中は木の葉に遮られて、案外雨が凌げるものだ**
**ハンモックはモスキートネットが縫い付けになっていて、中へのエントリーは本体の下側から行う。 縦にスリットが入っていて、それがベルクロで止められている。中に入って体を横たえると、 テンションが掛かってスリットが自然に閉じる。ジッパーなどを使っていないので、 軽量かつ耐久性も高い**
**慣れてくると、食事や歯磨きもスリットから半身だけ出してできるようになるとか…… **
**本体底部を半分折り返せば、ハンギングチェアとしても使える。応用範囲が広いのは、 そのシンプルさ故だろう**
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